国立に息づく府中用水

今日も暑い一日だった。午前中、ミツカン水の文化センターの仲間と府中用水を歩いてきた。案内してくれたのはくにたち郷土文化館学芸員の齊藤さん。 9月に府中用水といきものの関わりを体験するワークショップを開くために、その打ち合わせにうかがったのだ。 府中用水。疎水百選にも選ばれているのだがご存知だろうか? この写真は、木工の工房を営まれているいとうさんご夫妻の側を流れる府中用水。素敵でし…

続きを読む

戦略的仲介者でありえたのか?白洲次郎は。

■先月、鶴川の武相荘に行ってきた。白洲次郎・白洲正子夫妻の居宅として一般公開されている。 私はどちらかというと正子の『かくれ里』や『西行』といったエッセイのファンなのだが、今回訪問した理由は別にある。インターゼミ多摩学グループで白洲次郎・中里介山を扱うこととなり、白洲が住んだ空気に触れようと思ったのだ。 ■白洲次郎は仲介者である、というのが私の認識の出発点だ。年譜を追うとわかるが、ケ…

続きを読む

県庁おもてなし課 観光政策を学ぶ学生はぜひ一読を!

新聞の書評欄にベタで紹介されていたので期待もせずに購入したのが、有川浩の『県庁おもてなし課』(角川書店、2011)。ほとんど小説は読まないのだけれど、県の観光行政のダメさ加減がリアルな上に、主人公の高知県職員の「自治体観光マン」としての成長描写がすがすがしく、思わず半日ほどで読んでしまった。 本書は、観光を志す学生の必読書です。下手な観光論テキストよりも、よほどうまくできている。 私が担…

続きを読む

水ビジネスを制度の視点から見る

1999年の創立当初から、私はミツカン水の文化センターというプロジェクトに関わっている。毎年1回行うフォーラムの企画もたてており、12回目となる今年は「水は誰のモノ?-公平と水循環を両立させるために」というテーマで、水ビジネスの現状と課題について討議するというプランを企画した。開催日は10月15日(金)。 登壇者は以下の通り。 ◆ 健全な地下水循環への取り組み  ~熊本県の事例から~ 小嶋…

続きを読む

広域連携には中間団体の厚みが必要だ

昨日、多摩ニュータウン学会の打合せで、明星大学の西浦定継先生と会ってきた。 いくつかの業務連絡を済ませた後、いま学会内でホットなテーマとなっている「広域連携」について話が及んだ。 私自身は広域連携をぜひ進めるべきだと考えているのだが、広域連携と聞いてみなさんは何を思い浮かべるだろうか? 多くの方は、自治体同士が部分的に協力することを想像すると思う。現に、ゴミ処理については稲城市、狛江市…

続きを読む

インタビューは楽しい

■インタビューを観察する 浦安に行ってきた。 今日は、新浦安のタワーマンション脇にある自治会館で、おもちゃ病院の定期開院日。そこで、この近くに住んでいる日本おもちゃ病院協会の嶋田弘史会長に会ってきたのだ。 会った、といっても、今日はインタビュアーとして訪問したわけではない。 (財)長寿社会開発センターが夏に創刊する雑誌のアドバイザーを引き受けており、編集会社とライターが取材する現場に私も…

続きを読む

愛知用水を視察してきました

■愛知用水とは? 愛知のトヨタ関連工場群、新日鉄など、日本の基幹産業に水を供給しているのが愛知用水だ。 この用水は長野県王滝村の牧尾ダム等を水源にして、木曽川下流・岐阜県八百津町の兼山から取水して、その水は知多半島の南部にまで及ぶ。通水開始が1961年9月だから、来年で50周年というわけだ。 私も協力しているミツカン水の文化センターで、この愛知用水の特集を組むことになり、王滝村から南知多ま…

続きを読む

初の水資源共有管理政策:熊本県

■水は地域の共有資源だ この2ヶ月あまり、大学が忙しく、旅に出ていなかった。 どこかへ行きたい! そう私の魂が叫んでいた矢先、ミツカンの方から「熊本に行きませんか?」との誘い。一も二もなく快諾し、日帰りだったが、火の国熊本へ行ってきた。 火の国、と書いたが、実は熊本は水の国。 阿蘇から熊本市にかけて地下水盆が広がり、熊本市水道局は地下水を水源としている。 左の写真は、市内の水前寺…

続きを読む

観光体験の新陳代謝とは:野沢温泉村

■野沢温泉という共有資源 9月15~16日、同僚の松本先生と長野県・野沢温泉村を訪れた。野沢温泉村は観光地としては無論有名なのだが、地域の共有資源(コモンズ)を研究している私のような研究者の間では昔から名前が知られていた。 なぜなら、ここでは「野沢温泉村」という行政主体と、「地縁法人野沢組」という主に温泉権や村の森林財産を管理する「住民組織」が並立しており、ここが協力してスキー場経営や祭の運…

続きを読む

慶長期の干拓堤防 柳川

■水郷の観光都市:柳川 2日間かけて、福岡県柳川市周辺をまわってきた。人口7万2千人。水路に浮かぶ遊覧船、北原白秋の生家などを目当てに、年間5万2千人の宿泊客がある。もちろん、鰻のせいろ蒸しも食してきた。 市内の水路の水は矢部川からひかれたもの。その南側には、江戸初期にここを治めた田中吉政が開拓した干拓地が広がっており、それは時代を追って沖に沖に伸び、昭和になってからの干拓地が最南端とな…

続きを読む

鹿屋市(鹿児島県)社協におもちゃ病院を取材

8月1日。鹿児島県鹿屋市を訪れた。総研の共同研究・研修プロジェクトのパートナーである(財)長寿社会開発センターの担当者2名、それと松本先生とともに、鹿児島県社協、鹿屋市社協の活動をヒヤリングにうかがったのだ。 両社協がいま情熱をもってすすめているのが「おもちゃ病院」事業。 子どものおもちゃは壊れるものだが、どこに修理を頼めばよいのか途方に暮れる親御さんも多いだろう。そうしたちょっとしたお…

続きを読む

河川文化を語る会で「社会的水循環」について報告

最近、水文化への関心が高まっていることを実感する。21世紀は水の世紀と言われるわけだが、自然-人工的な環境の中で水循環を実効あるものにする、すなわち最近私が言い続けている「社会的水循環」を進めるには、水文化への理解が欠かせない。 そんなことを感じるのだが、昨日は日本河川協会が開催している「河川文化を語る会」で「企業の社会貢献活動から見る水の文化景観」と題した報告を行ってきた。 私が関わってい…

続きを読む

2009年度の研究会

2009年度も4ヶ月が過ぎようとしている。 研究・教育者の仕事は常に情報を集め、そこから教育プログラムや新たな知見を生み出すことにある。したがって、研究会に参加することは主要なしごとということになる。 私が参加する研究会もこの第一四半期で固まってきた。以下の通りだ。 1.地域経営研究会  多摩大総合研究所の研究会。 2.日本計画行政学会コモンズ研究専門部会  宮城大学の風見先…

続きを読む

公共政策学会で水政策について報告

2009年7月18日、日本公共政策学会東日本支部第4回研究会が開かれました。研究会のテーマは「水をめぐる学際的アプローチ」。この中で、私は「健全な水循環を支える政策文化」を90分話し、また中央大学理工学部都市環境学科教授で水の安全保障戦略機構委員の山田正先生が「最近の水政策と水技術の展開」と題し話されました。 山田先生は都市土木工学の観点から様々なトピックスを紹介。私は「水文化」、つまり社…

続きを読む

ダイレクトマーケティングに不可欠な「仲介者」の役割と「モードチェンジ」

■ダイレクトの対象は? 先日、株式会社ジー・エフが開催した「ダイレクトマーケティングフォーラム」(2009年6月23日)に出席してきた。多摩大総研が協賛していたこともあり、「不況に強いマーケティングを考える」というパネルディスカッションに登壇してきた。 参加者は日頃から切磋琢磨されているマーケター達。 一緒に壇上に上がったのがバリュークエスト(株)代表取締役の宮本雅通氏、(株)プロ・ヴィジ…

続きを読む

地域学は進化する:『多摩ニュータウン研究』11号発刊から振り返る

■地域学は全国様々 『多摩ニュータウン研究No.11 食とみどりのニュータウン』が発刊された。 この「多摩ニュータウン学会」という学会がある。ということを知ったのは、私が多摩ニュータウンに通うようになった1998年のこと。思えばこの学会が設立して2年目にその存在を知ったことになる。 当時の私は、産業組織論の枠組みに社会ネットワーク分析を導入してコミュニティネットワークを分析したいと考え…

続きを読む

観光コモンズの課題

■コモンズとは? まちを共有資源(コモンズ)と見なし、マネジメントしようという考え方がある。コモンズとは「共有資源」という意味。生物学者ガレット・ハーディンが1969年に書いた「コモンズの悲劇」が有名で、羊飼いが放牧地(この場合のコモンズ)を共同利用している場合、フリーライダーが発生すると、みんながフリーライダーになることが合理的になるので、放牧地は荒廃していくという。これがハーディングが描い…

続きを読む

「観光」と「地域観光マネジメント」の違い

先週、松本先生と共に、北海道大学の観光学高等研究センター長の石森秀三先生にお会いしてきた。石森先生は北大に着任する前は、大阪の国立民族学博物館で観光人類学を専攻されていた。その民博に石森先生を最初に訪ねたのが2006年だから、もう4年前となる。当時も今も私の関心が「開発」、特にコモンズ管理の制度設計などを中心とする「持続的な開発政策手法」にあることは変わりないのだが、その頃は、多摩ニュータウン研…

続きを読む

ミツカン水の文化センターが日本水大賞厚生労働大臣賞を受賞

私は1999年からミツカン水の文化センターの主任研究員をしている。ミツカンという会社は1804年に現・愛知県半田市で創業した老舗企業。いいお酢づくりにはいい水が必要と、「水と人、水と社会との関わり」に焦点を当てた社会貢献活動機関として「ミツカン水の文化センター」を1999年に設立した。 以来10年間。多くの地を取材し、日本に限らず、世界の人々の暮らし、社会秩序、経済、多くのことが水文化と関…

続きを読む

研究室オープン!

本ブログ「地域観光マネジメント研究室」がオープンしました。昨年10月に設立された観光庁のキャッチフレーズは「訪れるによし、住んでよし」の地域づくり。つまり、これまでの受け入れ一辺倒の地域づくりではなく、地域社会の体力をつけ持続する開発を目指しています。 本研究室の目指すところも、「持続する地域づくり」を担うひとづくり。観光という手段で、これからの開発を考えていきます。

続きを読む