The インターゼミ in History①

■インターゼミとの対話
昨日4月17日(土)16時20分からインターゼミ第一回に参加した。今年からの初参加なので多少緊張して九段キャンパスに行くと、久恒先生が待ち構えていた。
「記録を御願いします。これもオーラルヒストリーだからね!」
ということで、このブログでもインターゼミの動きを毎週報告する。
でも、ただ記録するだけではつまらない。
ゼミに参加・貢献する同時観察者として、ゼミをテクストとした歴史批評というものをこのブログで試してみたいと思う。
なぜならインターゼミの主宰者である寺島学長の方法論が、間違いなく「歴史」にあるからだ。
かつて名著『歴史の都市、明日の都市(原題The City in History)』を著したルイス・マンフォードは「長い助走を歴史のなかに得なければ、未来にむかって十分に大胆に跳躍するために必要なはずみを、われわれ自身の意識のなかにもつことはできないであろう。」と記した。
未来に対するためには歴史の評価が必要という、当然、しかし、現代の社会科学の中では軽視されがちな姿勢がこのゼミにはある。
そこで、ブログタイトルも「The インターゼミ in History」(歴史のインターゼミ)と題し、記録と、私のコメントを掲載していくこととする。

■第1回目はオリエンテーション
昨日は初回だったので、久恒先生のガイダンスの後、寺島学長のスピーチ。学長の途中退出後は、昨年から継続参加しているメンバーや教員の自己紹介、Q&Aが行われた。参加者は35名。参加教員は、寺島学長、松林SGS学部長、諸橋経営情報学部学部長、久恒先生、菅野先生、中澤先生、木村先生、金先生、長田先生、松本先生、私の11名。
寺島学長から前半は多摩大で学生と共に行いたいこと、後半は昨年のゼミとの関連を踏まえ、今年度考究したいと考えている4つのテーマが説明された。
まず前半。寺島学長がとりわけ重視しているのがリレー講座と、face to faceを重んじたインターゼミという説明だ。
リレー講座は現代の論壇を引っ張る方々が講演・議論する多摩大の看板プログラムの一つ(http://www.tama.ac.jp/info/lecture_relay2010.html)。自身が学生の頃、「岩波ホールで聞いた丸山真男の話はよくわからなかったが、記憶に鮮明に残っている」という話をした後、ほんもの、問題に真摯に向き合っている人間を見ておくことが、後になって何かを気づかせる、という。
インターゼミはface to faceのゼミ。今の学生はタテの関係でもまれることが少ない中で、ヨコの関係をつくっていくことがどんな知的集積をつくるか。そこに可能性を見いだしていることを、かつて九段・神田神保町と交錯した滝沢馬琴や若き周恩来のエピソードで語られた。
インターゼミはグループ研究の場。最後は報告書をつくること。これがゼミのマイルストーンになる。

■4つのテーマ
後半は、今年考究したい4テーマについて語られた。
第一は「多摩学」。昨年は多摩ニュータウンの再生プロジェクトが活動したが、多摩ニュータウンのみならず多摩という広範囲にわたり地理、歴史、文化、あるいは多摩川など重層的に見つめたい。
第二は「サービス、エンターテイメント研究」。昨年は東京ディズニーランド研究プロジェクトがあったが、これも発展させていきたい。
第三は、「日本とアジア」あるいはアジア主義の研究でもいい。1955年のバンドン会議(アジア・アフリカ会議、東西冷戦の中、1961の非同盟諸国会議に受け継がれる)のエピソードを紹介し、日本とアジアの関係を、アジア認識を深めたい。昨年は「アジアとの交流プログラム」を踏まえたテーマだ。
第四は、「環境、エネルギー、食料」。昨年の「グリーンニューディール」を踏まえたテーマだ。

■元気が出るゼミ
学部時代は近代日本政治思想史を専攻し、社会人となってからはコンベンション屋・リサーチャーとなって都市の成長を考え、研究者としては多摩ニュータウンや水の開発政策史を考え続けている人間としては、この4つのテーマの通奏低音を何となく感じる。それについては、おいおい書いていくつもりだ。
一つだけ書いておくと、それは世界のグローカリゼーションが進む中、人口ボーナスに適応した高度成長型の制度が立ちゆかなくなっているのだが、それをどのような制度に移行させるのか。4テーマは、この問題を4方向から光を当てたものである以上、これからのゼミ運営でも、4テーマのクロスが必要になっていくことだろう。

さて、最後に。いいゼミと悪いゼミの違いは何か?この見極めは結構簡単で、ゼミに出ると自分の知らない知見やものの見方に触れられて「元気になる」のがいいゼミ。だから、自分もこのゼミのみんなに情報を提供しようと貢献したくなる。悪いゼミにはこの化学反応がおきない。
インターゼミは初回から「いいゼミ」になる予感に充ち満ちていました。


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